ハーフマラソン90分切りの職人

ハーフマラソン90分切りの職人について私なりに考えてみたいと思う。そしてその職人を目指して走っていきたいと思う。写真は先日、長野マラソンを優勝された最強公務員ランナー牛山純一選手風のポーズで撮らせて頂いた。

その1 ハーフ90分切りギリギリの走力しかない

ハーフ90分切りが余裕にできるランナーはもちろん該当しない。それはそうだろう。自己ベストが80分切り、70分切りなんていうエリートランナーがハーフ90分切りの職人であるわけがない。それは別の職人だ。速いジョグ程度で余力を残して90分切りができてしまうからだ。ハーフ90分切りをするために自分のメンタル、フィジカルの特徴を掴んでペース配分を考え、少しでも狂えば達成できないようなランナーが職人であると考えられる。言わばハーフ90分切りギリギリの走力しかないランナーがあてはまるのではないだろうか。

その2 基本的にフルマラソンは走らない

10km走ることも長いと感じる。ハーフマラソンの距離はとても長いと感じ、それ以上の距離を走ることに普段から抵抗があるランナーが職人にあてはまるのではないだろうか。ハーフ90分切りを2回続ければフルマラソンでサブスリーを達成できるが、「とてもじゃないが、できるわけないだろ」と思うハーフ90分切りのランナーは職人の可能性がある。言わばハーフの距離をある程度の速さ(4’15”/km)で走ることはできるが、それ以上の距離になるとスピード持久力やスタミナがなく、極端に遅くなるランナーがあてはまるのではないだろうか。「ハーフマラソンまでは勢いでいける」というランナーは職人ではないと思われる。

その3 年間常にハーフ90分切りの走力があるわけではない

マラソンシーズンに調整してようやく90分切りを達成できるランナーが職人と言えるのではないだろうか。マラソンシーズン以外の気温の高い4月~10月上旬から中旬にかけてハーフ90分切りを容易にできるランナーはハーフ90分切り以上の走力を持ち合わせているだろうし、目標ももっと高いランナーが当然多いだろう。マラソンシーズンの走りやすい時期にしかハーフ90分切りのチャンスはないと考えているランナーが職人と言えるのではないだろうか。

その4 ハーフ90分切りに誇りを感じている

マラソンと言えば、フルマラソンを走る強靭なランナーにも、まったく走らない非ランナーにもフルマラソンになるだろう。しかし、ハーフマラソンが好きで、ハーフ90分切りに執着し、誇りを感じているランナーは職人と言えるのではないだろうか。ハーフマラソンが主戦場であり、フルマラソンのための調整では決してないランナーが職人ではないだろうか。

その5 ハーフ90分切りをしてから10年以上、85分切りができない

初めてハーフ90分切りを達成してから10年以上、85分切りが達成できない。しかし90分切りは毎年なんとか達成できている。そんなランナーは職人ではないだろうか。「どんな世界でも10年続けていれば職人だ」とミニバスケットをやっていたこどもの頃にコーチから言われた言葉である。

その6 ハーフ90分切りをテーマとしたブログを書く

飽きもせず、ハーフ90分切りをテーマとしたブログを書き続ける。これも職人にあたる可能性はあるのではないだろうか。その4で前述したように誇りを感じ、それを他者にも聞いてもらいたいという感情があるのではないだろうか。それは別に悪いことではない。職人というのはその業に誇りを感じ、何より好きでなければ職人で在り続けることは難しいのではないだろうか。そしてハーフ90分切りが生きる支えになっている。

その7 ハーフ90分切りにまつわる数字にうるさい

「5㎞、10㎞の持ちタイムはVDOTの51~52は欲しい」とか5㎞、10㎞といった切りのいい距離の通過タイムではなく「12㎞の通過タイムは51分を切りたい」などと細かく通過タイムを把握している。大工職人が道具にうるさいように、ハーフ90分切りの職人は数字にうるさい傾向があるのかもしれない。ちなみにハーフ90分切りは大会によって上位2~5%のランナーにあたる。

 

と勝手にハーフマラソン90分切りの職人を自分なりに定義してみた。もちろんハーフ90分切りの定義は人それぞれだ。人の数だけあっていい。あなたのハーフ90分切りを見つければいい。そもそもハーフ90分切りの職人を定義すること自体間違えなのかもしれないのだから。私自身はまだハーフの自己ベスト更新を完全に諦めているわけではない。しかしそれが出来なくても、ハーフ90分切りは50代になっても可能な限り続けていきたいと考えている。

 

【記事:芋太郎ブログ富土通(フドツウ)】