「旅ラン」が流行っている?
芋的には由々しき事態が起きている。
世の中で「旅ラン」という言葉が流行っているらしいのだ。
「旅ラン、聞いたことない?」
いや、間違いなく広まっている。
ウソだと思うなら検索したらいい。
「旅行 ランニング」とググれば、多くのページがヒットする。
なぜ「旅ラン」はいいのか?
どこを「旅ラン」するのがおススメなのか?
こんなにもランニングが世の中で地位を確立し、権威を振りまく時代になってしまったのか。
今一度、旅行というモノがどういうモノか振り返ってみて欲しい。
昭和、私は幼少期だったので詳しくは知らないが。
旅行とは昼から酒を飲むこと。酒がなければ旅行じゃない。どこに行こうが何をしようが、昼から酒を飲めばいつでもどこでも旅行気分。
平成、まさに私がど真ん中で育った時代。
旅行とはSNSで写真映えするところを必死に見つけることにあり!いかに自分の旅行が充実しているかを必死にアピールすることにあり!
そして、令和。
旅行とはランニング!旅ランで電車や車では発見できないモノを見つけよう!汗をかいた後は旅館の温泉でさっぱりしよう!
そんな馬鹿な!
令和の旅行はそんな爽やかな旅行になってしもうたのか…
昔は昼から酔っぱらったオヤジがそこらにワラワラ歩いていた熱海…
夜は芸者が旅館にワラワラ入っていく熱海…
いかがわしい陳列物が平然とならぶ熱海城…
「旅ラン」なんかが流行って爽やか風吹きまくったら古き良き熱海の香りは全てなくなるんでは?
と、熱海を語りつつ、埼玉の内陸部に住む芋太郎は熱海に1回しか行ったことがないという…。
聞くところによると熱海もずいぶん変わりきれいになってるとか、なってないとか。
「旅ラン」にふさわしい観光地になっているのかもしれないが。
その旅行先、純粋に決めたのか?
他人の旅行だから「旅ラン」をしようが、本来どうでもいいのだ。
女子2人組が爽やかな「旅ラン」、結構なことじゃないか。
独身男一人、仕事のストレス発散で「旅ラン」、健康的で素晴らしい。
しかし、家族持ちはそうはいかない。
芋的裁きはここに落ちる。
「旅ラン」という言葉が流行ると、日本全国何組の家族が泣きを見ることになるか。
若い女子二人組、独身男子一人旅行、それはいい。
一時の流行にのって「旅ラン」して来ました~♪
インスタグラムでいっちょ上がり!
それもまたよし、だろう。
問題は家族持ちの中年だ。
コレが大問題なのだ。
なぜなら、中年で「旅ラン」なんて考える輩は、中毒者だ。ランニング中毒者の可能性が著しく高い。
普通の中年はインスタ映えだけのためにランニングなど旅行に組み込まない。なぜなら酒が飲めなくなるから。
このランニング中毒者たちは決して「旅ラン」が目的なのではない。ド直球でランニングが目的なのだ。
だから、旅先のインスタ映えスポット何か検索しない。
むしろ、坂道インターバルにちょうどいい坂道がないか、トレイル用のコースがないか、そればっかり気にしている。
秩父に行こう!長瀞に行こう!
そこまでは分かる。
越生に行こう!?
怪しいだろ!
越生に何があるって言うんだ。
「黒山三滝あるじゃない?」
ウソだ!
目的は黒山三滝じゃない。きっと越生のトレイルコースだ!
「今回はたまには圏外にしようか?青梅とかどう?」
怪しすぎるだろ!
「赤塚不二夫記念館あるじゃない?」
初めて聞いたぞ!赤塚不二夫好きだったっけ?
狙いはおそらく青梅のトレイルコースだ!
家族は本当はディズニーランドに行きたいのだ。
本当はハワイアンズに行きたいのだ。
しかし、そこは選ばない。ランニング中毒者は選ばない。
ディズニーランドでは走れないから。
ハワイアンズでは走れないから。
「旅ラン」を流行らせようとしている方々、一言だけいっておく。
「旅ラン」を理由に旅行先を恣意的に決定するランニング中毒オジサン達の陰で、その家族は本当に行きたい旅行先を潰されているのだ。
そして、旅行に行けばオヤジはランニングシューズを履いてそそくさとどこかへ消えていく。
その間、子供の面倒を見るのは奥さんだ。
令和の爽やかな新旅行スタイル、結構なことだが犠牲になる家族はたまったもんじゃない。
私はしない。
家族を大切にするイクメンだから?
いや、違う。
昼から酒を飲みたいからだ。