今日こそは追い込まないで終える!
昨日はサッカーマンと一騎当千ランナーのおかげで散々追い込むランになってしまった。☞ 昨日の記事
今日こそは平穏無事にランを終えたい。
強敵が現れないようにランナーがいなそうなコースを計画していた。
ゆっくり15㎞くらい走ろうかと。
朝起きるといつもは寝静まっている家族がもう起きている。
「今日、9時半から児童館行くから。」
ということで9時に長女をバスに乗せる係が私に回ってきた。
この時点でタラタラ15㎞コースはアウト。
理想とはなんと儚いものであろうか。
理想通りにはいかない、それがランニングだ。
どこかのランニング中毒者が言いそうなセリフを言ってしまった、恥ずかしい…
とにかく10㎞コースだ。
7時半前後に帰ってきてシャワーを浴びて、いろいろやって9時にバスを迎えるには10㎞コースしかない。
入間川沿いの自転車歩行者専用道…
サッカーマンはまだいいとして、一騎当千ランナーだけは本当にごめん被りたい。
二日連続であの人のペースメーカーになったら、私は発狂するだろう。
結果、本日は厄介な上級ランナーには出くわすこともなく、何となく思惑通りのランができたような気がする。
最後の300mは芋ピーダッシュをしかけたが、なかなかピー感が鋭くなってきたように思う。
すれ違い様、目が合うその一瞬…
本日は特別、芋太郎を困らす厄介なランナーには出会わなかった。
一人、3㎞地点で追い抜いたランナーの格好が私にとても似ていた。
その人だけは覚えている。
白い帽子。
上下黒のウェア。
あとはスポーツタイツを履いていた。
ちなみに私はここぞという時以外は、スポーツタイツは履かない。
私にとってスポーツタイツはエナジードリンクみたいなものだ。
履くことで走るときの負担が減るような気がする。
いや、足を動かす手助けをしてくれるような気がする。
つまり、スポーツタイツは芋太郎に翼を授ける。
毎度のトレーニングでそれを履いていたら、何というかドーピング的な罪悪感がある。
手助けを借りてるから、トレーニング効果もイマイチないんじゃないか。という罪悪感、不安。
ハーフの距離をタイムトライアルするときくらいしか履かないのだ。
今日のランナーが履いてるタイツはバリバリのサポート機能がついてる感じのヤツじゃなくて、防寒程度という感じのタイツだった。
靴はアディゼロのボストンだろうか。
芋太郎はそのあたり詳しくないので分からないが、それほどファストタイプではないような気がする。
後ろ20mくらいのところでラップを確認。
キロ5:15くらい。
走るフォームはまだまだ安定していない感じ。
なよなよ感が残っている。
といってダイエッターとか、意識高い系遊ランSNS映え狙いランナーでもなさそう。
そうするとこの人のシューズの選択は適切か。
この人はいずれランニング中毒者になるかもしれないな…。
そんなことを考えながら、私と似たような格好をしたランナーを抜き去る。
5㎞地点で折り返し、再びそのランナーとすれ違う。
お互いの目が合う。
向こうが少し、頭を下げたようなしぐさをする。
芋太郎も微妙な感じで返す。
「お速いですね。」
「いやいや、私なんて世の中の市民ランナーの皆さんに比べれば…」
「走歴はどのくらいなんですか?」
「一応、9年目に突入してますけど、年間3か月だけなんですよ、走るのは。」
「そうなんですか。どのくらいのタイムで走るんですか?」
「自己ベストは一応ハーフで90分をちょっと切るくらいです。」
「えぇ!3カ月だけで90分切りですか!?スゴイですね~」
「いやいや、私なんて世の中の市民ランナーの皆さんに比べれば…」
「私は去年初めてレースに出たんですが、2時間ちょっとでした。今年は2時間切りたいんですよね。」
「その走りだったら、行けるんじゃないですか?ところで、シューズは何を履かれているんですか?」
「あ、アディゼロのボストンです。それは、もしかして匠錬?」
「そうです、ちょっと古い型ですけどね~」
「匠錬なんか私はまだまだ履けないな~」
「いやいや、私なんて世の中の市民ランナーの皆さんに比べれば…」
目が合うその一瞬、その一瞬でこれだけの会話をお互いがやり取りをする。
そうなのだ、これがランニングの素晴らしさなのだ。
ランナーはランナーを尊重する。
ランナーとランナーは一瞬で通じ合う。
ランナーであること、その一点だけで我々はすでに仲間と言える。
…とは、芋太郎は思わないが、この人が
「なーに、人のシューズとタイツをジロジロ見てんだ?この変態野郎!」
とだけは思っていないことを願う。