imotaro

世間は芋太郎を穏やかに過ごさせてはくれないのか…?

芋太郎は穏やかに走りたいのだ。

土曜日あたりに今シーズン第二回目のハーフの距離を踏もうと考えている。

となれば、今日、明日は調整だろう?

いくらモヤシみたいに痩せている芋太郎でも、今日、明日無理をすれば土曜日にハーフは負担が大きすぎる。

ということで、今日は15㎞程度を5分10秒~5分30秒くらいで走ろうと思っていた。

先に結果をお見せしよう。

7㎞地点あたりまでは順調に穏やかであった。

7㎞~8㎞地点で様子が変わる。

ちょうど我らが狭山っ子たちの誇り、世界のホンダの横を走るところだ。

ホンダロードだ。

10秒ペースが変わっている。

ランニングをしない人にとっては10秒なんて大したことないと思うかもしれないが、1キロあたり10秒違うというのは体感的にはけっこう違う。

そりゃ6分20秒が6分10秒とかならたいした違いはないのかもしれないが、今の芋太郎の走力だとちょうど5分ジャストあたりから4分50秒にあげるとそれなりに消耗が出てくる。

何があったのか?

通勤ランナーだ。

ランニングで会社に通勤するというとんでもない人間がこの世にはいる。

ホンダロードにパンパンのバッグを背負った通勤ランナーが現れた。

私は左側の歩道。

彼は右側の歩道。

その通勤ランナーは私の後ろから、徐々に徐々にやって来たらしい。

気づいたら私の右目の視界の端に入ってきていた。

パンパンのバッグを背負って、キロ4分40秒~50秒くらいのラップを刻む通勤ランナー…

ただもんじゃねぇ!

大体歩幅が違うのだ。

芋太郎みたいに鈍足ランナーはチョコチョコ走りになってしまう。

でも、速いランナーはジョグであっても歩幅が大きい。

明らかにレベルが違う相手ではあるが、向こうは格好も私服ではあるがランニングウェアではない。おそらく仕事着だ。

シューズはさすがにランニングシューズのようだが、何よりパンパンのバッグを背負っている。

ホンダロード…、向こうがホンダの社員だとしたら入り口までおよそ1.5㎞の勝負…

負けられん!

といって今日の予定はまだ8㎞くらい残しているので、さすがに芋ピーダッシュは使えない。

残り距離を考えてのペースアップで対応するしかない。

結果、1.5㎞の戦いは芋太郎が制したわけだが…

通勤ランナーによって吊り上げられたペースはその後、落とすことができずに16㎞地点まで続いてしまった。

さすがに最後の1㎞はムリにペースを落としたが…

それにしても、なぜ世間は芋太郎を穏やかに走らせてくれないのか?

神よ!

なぜ、アナタはこんなにも刺客を送ってくるのだ?

3カ月しか走らない中途半端な初心者ランナーに、なぜこんなにも辛い仕打ちを毎日のように与えるのだ?

明日こそ穏やかに走らないと、土曜日のハーフの結果が散々になりそうだ。

通勤ランナーってヤバすぎる!

芋太郎は通勤ランをやらない。

通勤サイクルもやらない。

芋的感覚では通勤サイクルは結構多い気がする。

朝走っていても、いかにもビジネスマンという人がシュッとした自転車で、颯爽と芋太郎の横を通り過ぎるのを割と見かける。

通勤サイクルまでは分かるが…

通勤ランは相当なランニング中毒者の思考だと思う。

「どうせ会社まで移動するんだから、その距離を走っちゃえばいいじゃん!」

おそらく世紀の大発見でもしたかのように閃いて始めるのだろうが。

その生活のすべてをランニングに結びつける姿勢…ヤバすぎる。

電車に乗っているとき、きっと吊り革片手につま先立ちをしてかかとを上下させている…ふくらはぎを鍛えているのだ!

社内で移動するとき、おそらく彼らはかかとを浮かせて歩いている…フォアフット走法を身に着けようとしているのだ!

ナイキの例のシューズに適用しようとしているのだ!

ペットボトルのお茶を飲むときに、異様に勢いをつけてペットボトルをつかんでいる…給水の練習をしようとしているのだ!

通勤ランナーはきっと日常のすべてをマラソンに還元しようと企んでいる。

芋太郎は通勤ランは絶対にやらない。

1.職場にシャワーがない。

2.通勤に時間がかかる。

3.ランニング後に仕事など手につかない。(芋太郎はランニングした後は必ず昼寝をする。夜の仕事なので昼寝してから仕事に向かう。)

4.荷物が多くなりそう。(今日出会った通勤ランナーもバッグがパンパンだった。)

5.走って会社に来たからには、その足で仕事が終わって帰宅しなければいけない…。仕事後に走って帰るほどの気力は残ってない。

他にも探せばいろいろあるだろうが、とにかく通勤ランを絶対にやらない…いや、できない理由はたくさんある。

それにもかかわらず、「どうせ会社まで移動するんだから、その距離を走っちゃえばいいじゃん!」の一言で済ませてしまう人たち。

どうでもいいけど、その純真無垢なあくなきランニングに対する愛情で、芋太郎のような中途半端なランナーを煽るのはやめてくれ。

アンタがたはバッグを背負って軽くジョグっているつもりでも、それなりに速く走るじゃないか。

それに煽られて今日もどこかの初心者ランナーたちがペースを乱され苦しんでいるのだ。