実録、詐欺の手口は非常に巧妙なり!
皆さんは、詐欺に騙されたことがあるだろうか?
ランニング中毒者の皆さんは、真面目な人が多いと推測する。
だから詐欺に騙される人も多いのでは?
いやいやいや、実は芋太郎はそうは思わない。
ランニング中毒者はこだわる。
その日のトレーニングメニュー、さらにはランニングシューズ、ついにはエネルギー補給の食べ物まで。
とことんこだわる皆さんは、詐欺に引っかかることは珍しいのではないだろうか。
上手い話があったとしても、「おいおい、マラソンだってそんなにすぐに結果は出ないよ。そんなうまく行かないでしょ?」
案外、こんな感じかもしれない。
その点、やはりにわかランナーの芋太郎はダメだ。
実は芋太郎は恥ずかしながら詐欺に騙されたことがある。
職場の業務用エアコンについてだ。
ある日、どこかの役所のようなところから電話がかかってきた。
「エアコンのフロンガスが環境の・・・で使えなくなります。つきましては後日、環境省の委託業者から説明のお電話がありますので。」
そんな感じの内容だった。
全く営業臭なし。
へぇ~、そうなんだぁ。
そのくらいで電話を切った。
後日、仕事場の電話が鳴る。
「もう、環境省からの連絡はありましたでしょうか。委託業者の株式会社〇〇です。エアコンのフロンガス調査でお伺いしたいのですが・・・」
ここも全くの営業臭なし。
そりゃ、見てもらわないと困るぞ?と、日程を決める。
エアコンのフロンガス調査の当日、普通の顔した普通の電気工事技師みたいな人がやってきた。
本当に普通。
とくべつ元気でもなければ、暗くもない。普通に丁寧に話をする人。顔の特徴もあまりない。
案外、本物の詐欺師とはこんなものなのかもしれない。
私の職場にあるエアコン3台を順に点検。
そのうち2台はセーフだった。
残り1台が規定にひっかかるフロンガスを使用しているとの報告。
規定にひっかかるフロンガスを使用している場合、使用者に定期点検の義務が発生し点検のたびに費用がかかると。
結構かかると。
「え~っ、だったら買い替えた方が良くないか?」
芋太郎はそう思った。
そしたら、言う訳だ、その技師(詐欺師)の人が。
フロンガスを替えればいい。
環境に良いフロンガスに替えれば問題ない。
しかも、そっちのフロンガスに替えた方が電気代も安く済む。
いまなら環境省からの補助金も使える。
一応ウチも委託業者なんで、補助金の申請書出しておきますか?
「うん、出す!」
ということで、その申請書にサラサラサラ~とサインを書いてハンコをポチッと。
はぁ~とりあえず、これで何かよく分からないけど、助かったァ~
芋太郎はほっと一息ついて自分の仕事に戻った。
そして、夜、終業時刻の20分ほど前におもむろにネットで検索。
訪問してくれたエアコン業者をググってみる。
予測変換で「〇〇(会社名) 詐欺」と出る…
ゴゴゴゴゴゴ…
検索1ページ目からその会社と詐欺というキーワードがセットになったサイトが出るわ、出るわ…。
芋太郎、完全にパニック状態。
「え?え?もしかして、俺、騙されてる…?」
補助金の申請書の写しを確認する。
どこにも補助金の申請書とは書いてない。
書かれている言葉が「エアコンのガス交換注文書」…
ゴゴゴゴゴゴゴゴ…
総額20万円超の契約書…
完璧に騙された!
なぜ芋太郎は騙されたのか?
なぜ私が騙されたのか?
いくつか思い当たる部分を上げてみよう。
①まさか自分が騙されるわけないと思ってたから。
芋太郎はひねくれている。
そして疑い深い。
と、自分では思っていた。
そんな自分が騙されるわけがない、と。
オレオレ詐欺?俺はいくら歳をとっても、「オレオレ」言ってるやつになんかまず騙されない。
そう思っていた。
1段目の電話で売り込んで来たら疑ったかもしれない。
しかし、1段目は通知だけ。
そして、その通知通りの連絡が2段目に。
「あ、この前の電話のヤツか。」
この時点で、芋太郎の疑いの牙城は崩れ去った。
自分自身が騙されるわけがないと思ってるヤツは、疑いの牙城が崩れると弱い。
その先はもう、目の前の人を信頼し尽くしてしまう。
あぁ、この人良いこと言うわ~。助かるわ~。
これである。
その先はもう疑うことを知らない。
ダダダダダーッと契約書まで進んでしまう。
自分自身を過信している人は危険だ。
②書面をよく読まないから。
芋太郎は自分のことを疑い深いといっている割に、書面などを本当によく読まない。
契約書なんかをじっくり読んだためしがない。
じっくり読まずにすぐにハンコを押してしまう。
最悪だ。
ちなみにこの詐欺の一件だけじゃなく、普通に賃貸物件の契約でも書面をよく確認せずに、契約直前でごねるという最悪の借主を演じたことも1,2回ある。(その物件の貸主はぜんぜん真っ当な会社さんです…)
当たり前の話だが、何か書面にハンコを押すときはしっかり文面を確認するべきだ。
もしかしたら、予期せぬ契約書の可能性もある。
③すぐに決めたがるから。
これは経営者という身分も影響しているのかもしれない。
芋太郎はせっかちだ。
とにかく決断は早くしないと気が済まない。
ソレはソレで経営者として大事な資質なのかも分からないが。
この一件のときも、話の流れの中ですぐにハンコを押してしまった。
相手の言葉だけで、他に何も考慮せずに決めてしまったのだ。
他の会社はどうなんだろう?
本当に環境省が言ってるのかな?
スタッフに相談してみた方がいいかな?
そういうことを全く考えていなかった。
会ってすぐハンコを押す。
そんなのは一目ぼれした女性でさえ、届け出に即日ハンコはありえないだろう?
ほとんどの場合、後悔するはずだ。
「怪しいな…」と思ったら、国民生活センターへすぐ行こう!
ちなみに芋太郎は総額20万超をだまし取られることはなかった。
その日の夜に気づいた私は、翌日には国民生活センターに向かった。
事情を洗いざらい話し、「助けてください~」と泣きついた。
本来、事業者の相談には乗らないらしいが、暇だったのか親切にその後の対応をアドバイスしてくれた。
簡易書留で契約の破棄を伝え、一連の流れを国民生活センターの担当者〇〇さんに伝えてあることをメールで詐欺業者に伝える。
契約の破棄に関して、承諾の意思表示がない場合は法律家にも相談するとのこと。
すべてのやり取りは国民生活センターの担当者の〇〇さんに連絡すること、などなど。
担当者の〇〇さんが教えてくれた通りに、速攻で動いた芋太郎。
そしたら速攻で動いてくる詐欺業者。
「今回は何かうちの担当と芋太郎さんとの間で行き違いがあったらしく…」
行き違い?
何をおっしゃる。
行き違いも何も・・・詐欺だろうが!
「何も話すことはありません。契約の破棄を承諾してください。そして、その意思表示をメールか書面でしてください。」
ガチャン。
担当者の〇〇さんが、とにかく電話で話をするな、と。
明らかにやり手だろうから、電話で色々話すとやり込められる可能性がある、と。
確かに。
実際、やり込められて国民生活センターに行ったのだから。
国民生活センターの担当の方から言われた非常に大事なことを一つお伝えして、今回の記事を終わりたい。
「絶対にその日にハンコを押すな。必ず一日は持ち帰って考えろ。」
この言葉を芋太郎は教訓として大事にしている。
家を買うとき、車を買うとき、どんなに強引に迫られても必ず一日は間をおいている。
「国民生活センターの人が言ってたんで。」
この一言で、どんなにイケイケどんどんの営業マンでも引き下がってくれる。