普通の人は
「痩せたいから走る(または歩く)」のである。
が、ランニング中毒者はおかしなことに
「走りたいから痩せる」のである。
要は「走る際の足への負担を軽減するため」ということだろう。
「え?じゃあ走らなきゃいいじゃん。走らなければ痩せなくていいんでしょ?無問題じゃん。」
と、ダイエットランナーは考えるだろう。
が、すでにここが根本的に間違っている。
ランニング中毒者は、文字通り、走らずにはいられない。
ランニング中毒者の何がスゴイって?
「あなたは何ですか?」って質問に「ランナーです!」と真正面から答えられるところだ。
普通は違う。
「あなたは何ですか?」と聞かれたら、普通は「サラリーマンです。」とか、「公務員です。」とか答える。
でも、ランニング中毒者は「ランナーです。」と答える。
もちろん無職ということではない。
サラリーマンや公務員や経営者という立場があるにもかかわらず、それを飛び越えて「ランナーです。」と答えるのだ。
ランナーなんだから、走らないという選択はそこにはない。
だから、「走らなければ痩せなくていいじゃん。」などという発言は、刻んで蒸して醤油をかけたうえでゴミ箱行きだ。
くれぐれも燃えるゴミの日を間違えないように。
そもそも「走るために痩せる」なんて発想を標準装備している人達は、一般的な成人基準ではすでに痩せている。だいぶ痩せている。
痩せているにも関わらず、トレーニングのために痩せる、タイムのために痩せる。
そこにダイエットランナーの常識は通用しない。
偉そうに言ってる芋太郎も、2か月ほど前までは完全にダイエットランナーだった。
完全に「痩せるために走って」いた。
私のことなどどうでもいい。
ランニング中毒者の話に戻そう。
今年、ランニングを始めて気づいた。
コロナ前と朝にすれ違う陣容がだいぶ変わっている。
コロナ前によくすれ違った人はことごとくいない。
(みんなランニングを辞めてしまったのだろうか…。レースも中止ばっかりだったから仕方がないか…。)
そんなことを考えていたのだが、一人だけコロナ前からすれ違っていた人が変わらずに走っていた。
誰から構わず「おはようございまーす!」と挨拶をする女性ランナーだ。
年はおそらく50代。
朝6時台前半に入間川沿いの自転車歩行者専用道路を走るとほぼ必ずいる。
コロナ前よりも若干速くなっている気がする。
というか、確実に今の芋太郎よりも速い。
女性だが力強さを感じる。
上下動が少なく安定した走り。
きっとレースのないこのコロナ禍でも、ずっと真面目に走り続けて来たのだろう。
間違いなくランニング中毒者だ。
レースがなければ真面に走り続けられない芋太郎とは次元が違う。
敬意をこめて「おはようございます神」と呼ばせて頂こうと思う。