疲労抜きジョグとは?世界記録保持者キプチョゲ選手のペースは?

疲労抜きジョグの定義

これまでランニングの数々の著書を読んできました。

それらをまとめてみると

・1㎞のベストタイムの2倍のペース

・サブ3     キロ5分30秒〜6分

・サブ3.5 キロ6分〜6分30秒

・サブ4     キロ6分30秒〜7分

・最大心拍数の60%

・時間は60分以下

・E(イージー)ペース

参考著書:「マラソンはゆっくり走れば3時間を切れる!」田中猛雄/「毎日長い距離を走らなくてもマラソンは速くなる!」吉岡利貢/「〈東大式〉マラソン最速メソッド」松本翔/「マラソンは「腹走り」でサブ4&3達成」砂田貴裕

いずれもハードな練習(ポイント練習)後やレース後におこないます。

疲労抜きジョグはリカバリーラン(回復走)と呼ぶこともあります。

完全に休養する(ネガティブレスト)のではなく、つなぎの練習すなわち積極的休養(アクティブレスト)をすることが、「超回復」に向かうために有効だと言われています。

 

超回復とは

「超回復」について簡単に説明すると、トレーニング後、疲労により一時的に体力は低下します。そして回復時にトレーニング前の体力を超えます。回復までの時間は個人差がもちろんありますが、48〜72時間とされています。(24〜48時間としている文献もあります。)回復時に効果的なトレーニングをすることよって、ランニングでいえば走力が効率的に向上していきます。

 

わたしの疲労抜きジョグ

現在、わたしが採用している疲労抜きジョグの方法は

ペース

キロ7分前後が中心(疲労度によってキロ5分後半~9分前半の範囲)

ペースを基準にする場合は、疲労度によって決めています。とにかく楽なペースで走ります。速くても、サブ3.5を基準としたEペース(キロ5分40秒)くらいです。わたしの1㎞のベストタイムが3分16秒ですから、それを倍にするとキロ6分半くらいです。実際はそれより、遅いペースで走ることが多いです。自覚的運動強度(ボルグスケール)で「楽である」〜「非常に楽である」の範囲にしています。少しも「ややきつい」という強度にならないように意識しています。

心拍数

120bpm以下

心拍数を基準にする場合、120bpm以下にしています。

 

時間

20~60分

時間を基準にするときは60分以下にしています。(昨年の夏場は早朝ジョグで70分の時もありました。)それ以上になると逆に疲労が蓄積する可能性が有ります。現在は、だいたい20~40分が中心です。

 

距離

5kmが中心(2~11㎞)

距離を基準にする時は5㎞くらいが一番多いと思います。時間的にも短く、精神的にも楽な距離です。

 

まとめ

ペース、心拍数、時間、距離いずれを基準にしても、疲労抜きジョグなので、更に疲労を溜めるような練習はしません。更に疲労を溜めてしまっては本末転倒です。その時々の疲労度と気候によってもペースや時間、距離は調整しています。次の質の高い練習(ポイント練習)ができるように、疲労を抜いていくのが目的です。

 

30km走後におこなった実際の疲労抜きジョグ

30㎞走の3日後、筋肉痛は回復していましたが、疲労感がすごくこの日は心拍数を基準に120bpmを超えないように22分間走りました。わたしの疲労抜きジョグの中では最も遅いペースがこのくらいになります。

疲労抜きジョグはなにしろ「嫌だな~」という思いでやらないようにしています。走り終わったら、「気持ちよかったー!」という思いになるようにしています。それとフォームや着地、ピッチを意識したり、疲労度や体に故障や異変がないかもモニターするようにしています。フル2時間52分のランナーさんに「ただのジョグはやらないように」と言われしっかり意識するようになりました。

ここまで遅いペース(キロ8分半~9分)だとランニングエコノミー(ランニングの経済性)が悪くなるという理論もありますが、わたしは疲労がたっぷりある時はこのぐらい遅いペースのジョグを採用しています。

 

マラソン世界記録保持者の疲労抜きジョグは?

エリウド・キプチョゲ選手(マラソン世界記録保持者)

16~22㎞ キロ3分46秒~4分23秒 午前(基本18㎞ キロ4分前後が基本のようです)

10~12㎞ キロ3分48秒~4分10秒 午後(基本10㎞ キロ4分が基本のようです)

キプチョゲ選手のEペースはVDOT指標では3分23秒~3分36秒ですから、実際それより遅いペースで疲労抜きジョグ(回復走)をやっていることになります。

(マラソン自己ベスト2時間01分39秒)

引用元:著書「アルティメットフォアフット走法」みやすのんき

 

日本のレジェンドの疲労抜きジョグは?

高岡寿成選手(マラソン元日本記録保持者)

2003年福岡国際マラソン4ヶ月前から

ペース キロ4分20秒~5分

距離 主に14㎞

(マラソン自己ベスト2時間06分16秒)

引用元:著書「マラソン哲学」小森貞子

 

野口みずき選手(マラソン日本記録保持者)

2004年アテネオリンピックに向けた高地トレーニング(中国昆明合宿時)

ペース キロ4分07秒~5分20秒

時間 主に70分

距離 主に13.5~17㎞

(マラソン自己ベスト2時間19分12秒)

引用元:著書「マラソン哲学」小森貞子

 

あの選手の疲労抜きジョグは?

松本翔選手(東大卒箱根ランナー)

ペース キロ4分30秒〜5分

時間 60分

(マラソン自己ベスト2時間13分38秒)

引用元:著書「〈東大式〉マラソン最速メソッド」松本翔

 

猫ひろし選手(リオデジャネイロオリンピック カンボジアマラソン代表)

ペース キロ5分〜6分

距離 5~20㎞

(マラソン自己ベスト2時間27分48秒)

引用元:著書「猫ひろしのマラソン最速メソッド」猫ひろし

 

保坂好久選手 市民ランナーの「鉄人」年齢別世界記録保持者

ペース キロ7分〜8分

距離 20㎞

(マラソン自己ベスト2時間25分28秒)

引用元:著書「マラソンはゆっくり走れば3時間を切れる!」田中猛雄

川内優輝選手 ボストンマラソン優勝者

ペース キロ5分10秒〜5分30秒

通勤ラン

(マラソン自己ベスト2時間08分14秒)

引用元:著書「マラソンはゆっくり走れば3時間を切れる!」田中猛雄

 

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。

少しでもお役に立てれば、これに勝る喜びはありません。

 

【記事:芋太郎ブログ富土通(フドツウ)】