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小江戸川越マラソンは芋太郎の唯一のレース

毎年11月の最終日曜日に行われるのが、小江戸川越マラソンだ。

名称通り、埼玉県の川越市で行われる。

川越の蔵造りと呼ばれる昔の街並みを走れるということで人気が高い。

毎年、エントリー受付開始日は、大会当日と同じくらい熾烈な戦いが繰り広げられる。

回線が混み合ってスポーツエントリーの申し込みページが開かないのだ。

「しばらくお待ちください…」

的な文字が出て来て、砂時計が延々と上下する画面が流れる。

2019年の今年は大体20分弱でようやく申し込み画面に切り替わったが、記憶している最長は40分強待ったこともある。

幸いにして毎年申し込みできているが、昨年だけは駐車場の申し込みが受付終了で終わってしまった。

聞いてほしい。

私は毎年、受付開始ジャストの時間にボタンを押している。

受付開始の当日、正午ジャスト、スマホの時計、部屋の壁かけの電波時計、パソコンの時計、全てを確認してジャストの時間にボタンをポチッとしているのだ。

それなのに2018年大会は駐車場が取れなかった。

コンマ何秒にそれだけ駐車場を取った人間がこの世にいるのか…と恐ろしくなった。

ドリカムのコンサートでもこうはならないのではないか?

ドリカムのファンではないから分からないが。

世の中、狂っている。

なぜ20㎞も走る苦しいイベントに、こうも人が群がるのか?

しかも、4000円、5000円も払うのだぞ?

もちろん、私もその一人になっていて言うのもなんなんだが、不思議でならない。

サツマイモが紫色であることよりも不思議でならない。

※小江戸川越マラソンに対して、2つほど苦言を申し上げておく。

参加費をあげましたね?人気があるからと言って調子に乗るな!それに何だあのサポートランナー枠というのは?参加費15000円だと?ふざけるのも大概にしなさい!

(確認したらサポートランナー枠も定員になっているようで…。なぜにそこまでして参加する!?おかしいぞ、人間たち!)

②ランナーに給水や食べ物をボランティアで配っている人たちがいます。とてもありがたいことですが、ふかしたサツマイモを配っている人もいるようで…芋太郎が言うのもなんなんだが、あんなモフモフした食べ物、ランナーにとっては地獄だぞ!?息詰まってどーにかなっちまうぞ!?芋太郎はその優しい心だけをもらっておく。

(ウォーキングに毛が生えたレベルの参加者が食べるのかなぁ。)

小江戸川越マラソンの山場と地獄…

2018年までのコースを見ていただこう。

芋的山場は15㎞過ぎ。

鯨井中の折り返しを過ぎて2㎞程度行ったところだ。

芋的には鯨井中の生徒たちの応援でパワーがみなぎる。

意外に思われるかもしれないが、ひねくれものの芋太郎は普段人に応援されることが少ないからか、マラソン途中の応援が結構パワーになったりする。

毎年、鯨井中の折り返し後にタイムが上がる。

そして15㎞過ぎ、平塚橋の坂道にぶち当たる。

調子がいい年は、ここの登りでさらに加速する。

しかし、調子が悪い年は、この平塚橋でエネルギーがほぼ枯渇する。

90分を切れるかどうかは、ある意味、この15㎞過ぎの平塚橋で加速できるかどうかにかかっている。

ちなみに芋太郎は臆病なため、最初からツッコむレースは得意ではない。

15㎞あたりまで余力を残しておいて、ラストでタイムをあげていく方がぜんぜん楽に走れる。

(調子がいい年だと15㎞~16㎞付近で、キロ4分を切るラップを出すときもある。)

そしてもう一つのポイント。

地獄だ。

コレは調子がいい年だろうと、悪い年だろうと、変わらずに地獄のポイントとなる。

ラスト2㎞の地点だ。

地獄ポイントの直線は2つの線路の下をくぐる。

何年たっても、終盤の疲れのためか一本目の線路をくぐると錯覚する。

「線路をくぐれば、もう西松屋だ。もうゴールは近いんだ…」と。

しかし、それはダミーの線路。もう一本の線路が出て来て打ちのめされる。

「オマエ、もう一本あったんかい?まだ、ここだったんかい?」と。

私は毎年、自分の中でこのやりとりをして泣きたくなっている。

更にここで追い打ちをかけることが。

「あと2㎞、頑張ってー」

「あと1㎞、頑張ってー」

という声援。

申し訳ないが、ここまでラストの芋スパートをかけてきた自分にとってこの声援は全く嬉しくない。

「あと2㎞もあるのかよ…」

「嘘、、、あと1㎞も…」

これである。

15㎞過ぎから芋スパートをかけて、正直、この地点で芋エネルギーはほぼ枯渇している。

できることなら、その場で靴を脱いで道路に寝転がりたいくらい疲れている。

そこから2㎞も走るのは地獄なのだ…。

普段なら「2㎞なんて10分弱だ、すぐ終わる。」と思えるところも、芋スパートあとの芋枯渇状態だと、2㎞=2000m=200000㎝=2000000㎜という思考になるのだ。

全然短くない!

声援は鯨井中までで良い、とひそかに思う芋太郎なのである。

2019年のコース変更…あれれ?コレ、ヤバくない?

2019年、川越の町にとんでもなく便利な道路が開通した。

川越の南側を拠点に生活している人には関係ないかも分からないが、芋太郎のように狭山市~川越~川島あたりに生息する動物にとっては大変ありがたい道路が開通したのだ。

「川越北環状線」という名前らしいが。

この道が完全に川越マラソンのコースにかかっている。

しかも、後半の超重要ポイントに新たに開通した道が大きな影響を及ぼしている。

ちなみに言っておくが、お祭り騒ぎで出てくるランナーにとって小江戸川越マラソンの重要ポイントは蔵造りの街並みだろう。

普段は観光客でにぎわう昔ながらの街並みのど真ん中を走る気持ちよさを味わいに来ているだろう。

しかし、ハーフ90分くらいのレベルになるとそこはどうでもいい。

蔵造りの街並み地点は、まだまだ馴らしの段階。

とくに後半型の芋太郎的には、様子見をしているのが蔵造りの地点なのだ。レース的に全く重要なポイントではない。

さて話を元に戻してコース改正だ。

2019年のコースを見ていただこう。

2018年度まで私が「地獄」ととらえてきた直線がなくなっている。

ラッキー!

と思いきや…あれれ?

黒丸、←で示した地点があるだろう。

おそらく、昨年までの地獄地点が始まるのと同じくらいの距離の場所だ。

私はこのあたりをよく車で通る。

思い浮かべてみる。

あれれ?

ここは橋になっているのだ。

川を超える橋ではなく、線路を超える橋。

そう、2つの線路を超える橋になっているのだ。

2つの線路はぴったり並びあっているわけではないので、この橋は結構長い。

あれれ?

ということは、ここで心臓破りの坂がある?

あの地獄地点で…、芋スパート後の芋枯渇後に心臓破りの坂?

コレはもはや昨年までの2つの線路下のトラップどころの話じゃない!

気持ちの問題ではなく、物理的にヤバい!

万が一、小江戸川越マラソンに出場予定でこの記事にたどり着いた奇特な方々。

スパート地点を今年は考えましょう。

15㎞過ぎから芋スパートをしたらこの地点の心臓破りの坂は超えられないぞ?

何というコース変更を考えたんだ!

小江戸川越マラソンの実行委員の人たち!

とっても素敵だぞ!

芋太郎はとっても怒ってるぞ!

なぜ年に1回しかレースに出ないのか?

小江戸川越マラソンのことをアレコレ勝手に語った最後に一つ。

なぜ私が年に一回しか大会に出ないのか?

1回で十分だからだ。

私の目的はハーフで90分を切ったというラベルだけ。

「ハーフで90分切、凄いッ!」

コレだけでいい。

コレだけあれば仕事上でもイメージが良いし、プライベートでも人より体力があるんだ、という優越感が持てる。

年に一回のラベルを手に入れたら、それで終わり。

運転免許と一緒だ。

5年に一度、免許の更新に行くだろう?

全くの勝手なイメージで申し訳ないが、ランニングしている人は大概が安全運転だろうから、という予測のもとで5年に一度更新としたが。

5年に一度、免許の更新が通ってしまえば、わざわざもう一度重ねて更新したい人などいないはず。

あの眠くなる講習を誰が好んで、もう一度受けに行くだろうか?

それこそウルトラマラソンに出場する人たちより変わり者だ。

そういうことだ。

自分にとってのマラソンとは免許と同じ。

必要だからやる。

必要なものを手に入れたら、それで終わりでよし。

「じゃ、もし小江戸川越マラソンで90分切ができなかったら?ほかのマラソンに出るの?」

いや出ない。

とてもじゃないが、90分切のためのトレーニングを3か月を超えてやるなんて考えられない。

情けない話だが、仮に90分を切れなければ「やってみたけどダメだった。でも頑張ったよ。」の言葉で許してもらう。

ハーフ90分切は大きな勲章になることは間違いないが、3か月を超えて地獄を見るくらいなら、iMotaroはその年の勲章は容易に諦められるのである。