imotaro

昨日は幼稚園に通っている長男のマラソン大会があった。

マラソン大会といっても約400mの距離だが。

事前の情報によると(長男本人談によると)

「俺は3番目に速い!」

とのことだった。

このセリフに、私含め家族全員が半信半疑であった。

いや、二割信八割疑といってもいいだろう。

長男は凄まじいカッコつけでお調子者だ。

できないこともできると言う。

幼稚園で行われるあらゆることに対して大概は「俺が1番だ」と言う。

だがふたを開けてみれば、すぐに泣いたり、ぜんぜん1番じゃなかったりする。

「俺が1番」宣言が得意な長男が自ら「3番」と言っているのだから、これはもう良くても真ん中くらいの順位なのではないだろうか…

そんな感じで彼の応援に向かった。

 

準備体操の時間。

相変わらずふざけている。

とてもじゃないが「3番目に速い」男子には見えない。

私の姿を見つけた長男は、いつも通りに私に向けて変な顔をしておどけている。

闘争心のかけらもない。

ちなみに長男はハイキングに連れて行っても(いや、普段の買い物に連れて行っても)

「疲れた…。もう帰りたい。」とすぐに弱音を吐く。

親の私が言ってはいけないのかもしれないが、兄妹の中で最も根性がない。

上の2人の姉たちの方がよほど根性はある。

そういう性格をしていると思っているので、マラソンなど我慢が必要なものは全く向いてないのではないか…と思っていた。

 

レースが始まった。

さすが幼稚園児。

最初から全力だ。

ペース配分などお構いなし。

長男も他の子達と同様にスタートから全速力で走る。

相変わらず腕が伸び切ったランニングフォーム…

とても速そうには見えない。

(あ~、あれじゃすぐにバテるだろうなぁ…)

スタートからわずか十数秒で、私の頭の中には、真ん中かそれ以下の順位でトボトボ帰って来る長男の姿が浮かび上がっていた。

園児たちはスタートから50mくらい向こうのクジャク小屋の方に消えて行った。

 

園児たちが幼稚園の敷地をぐるりと回って保護者たちが待つゴール地点に帰って来る。

ちょうどスタートから300m地点くらいになるのだろうか。

先頭の子もヘロヘロだ。

しかし、さすがに1番だ。

ランニングフォームは長男のそれとはまるで違う。

4,5歳にしてスポーツマン、といった感じ。

2番目の子も3番目の子も、顔つきからしてスポーツマンらしい良い表情をしている。

この歳にして苦しいながらも己の限界まで頑張れる子というのはカッコいい。

上位陣を見てそんなことを考えていた。

油断していた。

来たのだ。

腕が伸び切ったナヨナヨしたランニングフォームの男の子が何と9番目にやって来た。

しかし、表情はいつもと違う。

もはや体力の限界という感じで疲れ切っている。

それでも何とかゴールにたどり着こうと最後に残った力を振り絞っている。

まさか長男がこんなに根性を振り絞れる子だったとは…

「前を追え!前を抜け!」

私が声をかけると長男は目線だけをこちらに向けた。

もはや体力の限界で、顔を向けることも、うなづくこともできないのであろう。

が、その瞬間、長男がムチャクチャなランニングフォームでラストスパートを放った。

1人抜いてゴール。

まさかの8位だった。

 

10位までの園児が表彰された。

賞状をもらう時、長男は不貞腐れて片手で賞状を受け取った。

園長先生からは

「もっと喜んでいいんだよ(笑)」と言われていた。

私もそう思う。

あれだけ根性を振り絞って追い込めるのだから、自分自身を誇りに思っていいのではないか。

少なくとも私は長男のことを誇りに思う。

 

家に帰って来てから彼に話を聞くと

「1位じゃなかったからヤダ。」と。

まあ、その向上心も素晴らしいことなのかもしれない。

「じゃあ、これからはお父さんと一緒に練習しないとな。」

と言うと、

「疲れるからヤダ。」と…

まあ、そういうところがやっぱり1位とか2位とかの子達とはまだまだ差があるのかもしれない。

 

今週の日曜日。

いよいよ川越マラソンがある訳だが、それに向けて非常に励みになるできごとだった。

長男に笑われないように私も根性を見せようと思う。