アレもコレも書かない。
これは芋太郎が日々のランの記事を書くことに心がけていることだが。
私はランニング中に見たり考えたりしたことをアレもコレも書こうとはしない。
空がきれいだった。
川が穏やかだった。
ランナーがたくさんいた。
どこどこで給水した、給食した、休憩した。
気分転換できた。
今度は家族で釣りに行きたい。
ランニンググループに入りたい。
給水はもっと早く取ればよかった。
給食はやはりバナナがいい。
日陰のある休憩地点を次はもっと考えよう。
その日にあったことを全部導入しないと記事が書けないとなると、これは大惨事だ。
なぜなら、人生そんなに色んなことはそうそう起きない。
色んな体験をしないと記事を起こせないとなると、これはもはやランニングどころの話じゃなくなる。
わざわざ川がキレイなところに行き、たいして必要でもないのにバナナを抱えて走らなければいけなくなる。
そんなものは熱帯のジャングルに住むゴリラにでも任せていればいいのだ。
我々はランナーだ。
ブログのためにわざわざネタを仕込むなんてのは本末転倒。
ネタを仕込まなきゃ記事が書けないようでは、SNS映えよろしく皇居ランナーと変わらない。
そんな記事、同じランナーとして読みたいか?
皇居とランナーの皆さんの写真。
そして異様にウェアがオシャレときてる。
そのウェア、あと何回着るんだ?
アレもコレも書こうとすると、アレもコレも体験しなければいけなくなる。
そしてアレもコレもちょちょいと書いた内容というのは、あんまり支持されない。
と、芋太郎は思ったりする。
一つのことをどれだけ観察し、どれだけ想像するか。
芋太郎のランニングの記録のカテゴリー記事をいくつか読んでくれている人は気づいていると思う。
芋太郎にもある程度、手法がある。
それは一つのことにこだわる。
別の表現をすれば一つのことに粘着する。
そしてその一つのことというのは、大概が「人」だ。
ランニング中に一人の「人」を見つけるのだ。
誰でもいい。
面白そうな人を見つける。
面白そうというのは、その人の格好や走る姿、表情からその人の物語を想像できるような人。
自分とその人の間に、何かストーリーを作れそうな人。
徹底的にその人のことを観察し、想像する。
人間が一番興味を持つ対象は当たり前だが同じ人間だ。
カメムシでもなければ、セイタカアワダチソウでもない。
人間は人間に一番興味を持つ。
だからこそ、ランニング中に出会った一人の人を徹底的に追及する。
それは何も走っている最中じゃなくてもよい。
走り終えて改めて振り返ったときに「あぁ、あーいう人がいたなぁ~」となれば、そこから徹底的に想像してもよい。
愛着が持てればキャラ性を持たせることができる。
キャラ性を持たせられれば、あだ名も出てくる。
チノパンの男、丸刈り、サッカーマン、一騎当千ランナー…
芋太郎のブログを飾ってきたキャラたちだ。
もちろん、全員が実在の人物だが、彼らのキャラ付けはほぼ芋太郎の想像でできている。
彼らの刻むラップ、格好、表情、その他もろもろから芋太郎が想像でキャラを絞り出す。
そして、そのキャラたちがブログ上でストーリーを作っていく。
観光案内的なブログが得意な人はいいのだ。
アレがあります。コレがあります。どのくらいの距離です。何が売っています。景色がきれいです。
それを書いていけばいい。
それぞれの項目に少しづつ説明を加えて自分の感想を加えて…
そういうのを読みたい人もたくさんいるかもしれない。
しかし、芋太郎はそれが苦手なのだ。
店とかモノとかをおススメしようとすると言葉がなかなか出てこない。
もちろん、風景とか観光名所をおススメするのも得意ではない。
それでも広告収入を狙って本当におススメするものについて書くときには、それなりに気合を入れて書いてはいる。
そりゃ買ってほしいから。
だってお金稼ぎたいのは人類普遍のテーマでしょ。
結局、自分の得意戦法を探るまで書き続けよ、という話。
これからランニングブログを始めようという人。
芋太郎の真似をせよ、という話ではない。
これはランニングと一緒で得意不得意があるのだ。
ハーフが得意な人もいるし、フルが得意な人もいる。
トレイルが得意な人だっているだろう。
それと同じで観光案内的にアレもコレもの情報羅列型が得意な人もいるし、芋太郎のように一点粘着型が得意な人間もいる。
自分がどういうスタイルの文章が書きやすいかは、しばらく記事を作ってみないと分からない。
ちなみに芋太郎は「富土通」氏が書くような知識系、メソッド系記事を作るのが最も苦手だ。
調べる手間が必要だし、いざ調べても自分自身が「あっそ」レベルで興味がないからだ。
興味がなかったり、面白くないことを文章にするのは疲れるし飽きる。
他のブログでは調査系記事をいくつか書いてはいるが、原則、そういう記事は得意ではないし、好きでもない。
(だから最近はめっきり調査をしなくなっている。)
このランニングブログはその点で気が楽だ。
読者の多くが私よりもランニングに精通している人ばかりだろう。
今更私が何かを調査しなくたって、「そんなの知ってるよ!」という人が多いはず。
素人の芋太郎が出しゃばることでもなさそうだ。
ランニング中毒者の皆さんは、少なくとも常人に比べ自分自身と向き合う時間はとても長いはず。
芋太郎は自分と向き合うと「苦しい、辞めたい」しか出ないが、皆さんには哲学があるだろう。
日々、自分の内面にある哲学を語るのも一つの手だと思う。
少なくとも100記事くらい重ねれば何かが見えてくるはず。
(そもそも広告収入を得たいのであれば、「100記事くらいは書かないダメ」と言うブロガーは多い。)
ランニングも走行距離が月100㎞超えたあたりから何かが見えてきただろう?
ブログもそれと一緒だ。
何が見えるのかは芋太郎にはまったく分からないが。
ランニングをするなら、とにかく走れ。
ブログをやるなら、とにかく書け。