ランナーにもおおすめの痔の本『自分で痔を治す方法』痔の9割は切らずに治せる!痔治療のバイブル本はこれだっ!

痔の本を初めて読む

平田雅彦先生が書いた著書『38万人を診た専門医が教える「自分で痔を治す方法」』

この本を読み終えて、完全に痔のバイブル本になりました。

わたしはランニング歴13年のアラフォーランナーですが、今年の1月に3度目の「血栓性痔核」を発症。

その模様について詳しくは以下の関連記事をお読みください。

原因はフルマラソン後の疲労があるにもかかわらず、ポイント練習を再開してしまったことです。

過去2回も概ね原因は同じでした。

痔とはかれこれ20年弱の付き合いになると思います。

「いわゆる痔持ちプロです」

その私が今回、この本を読んで自分の中の常識が覆りました。

もっとも知識がなさ過ぎただけですが・・・

痔に限らず、正しい知識をしっかり身につける大切さも改めて感じました。

これまでジオン注射(切除のいらない手術)による手術をおこなっていますが、再発しています。

マラソンの大会では疲労が出てくる後半、脱肛を手で押し戻しながら走る有様です。

まわりのランナーさんからは「あの人、なぜお尻を押さえながら走っているんだ?」と思われているはず・・・

なんとも格好が悪い姿です。(実際はレースの苦しさと痛さでなりふり構わずです。羞恥心などあろうはずもありませんが・・)

わたしの目標は「生涯ランナー」です。

走り続けるために、記録を追い求め続ける為には、いよいよ切除出術を今年の5月にしようと覚悟を決めていました。

わたしの痔の症状は現在おそらくステージ3です。

そのわたしがこの本を読んで、切除出術をするのをやめました

わたしが初めて知ったこと、特に印象に残ったところ、実践し始めたことについてまとめました。

特に痔に悩まれているランナーさん(もちろん非ランナーさんにも)のお役に立てれば幸いです。

 

・痔は日本人の3人に1人がかかる〝国民病〟

このことは前から知っていましたが、これは自覚症状の話だそうです。

ドイツの解剖学者が調べたところ成人の70%の人に痔核があったそうです。また、1982年におこなわれたアメリカのある病院の外来患者を調べた調査では、患者の86%に痔核があったということです。

どこも~かしこも痔持ち~♪

どこもかしこも痔持ちだよ♪

どこも~かしこも痔持ち~♪

どこもかしこも痔持ちだぜー♪

こんなにいなくてもいいーのにさ~♪

 

・「切らなきゃ治らない」のウソ

「痔は手術しないで治す」が世界の常識。

と書かれています。

興味深いデータとして国内外の痔核の手術率がありました。

国内外の手術率

ドイツ ➡ 7%

イギリス ➡ 5%

アメリカ ➡ 4%

日本 ➡ 40%

平田肛門科医院 ➡ 12%(レーザー療法含む。実質的には欧米と変わらないレベル)

参考文献:「大腸肛門病学 診断及び外来における処置」「直腸肛門病学」(いずれもシュプリンガー・フェアラーク東京発行)

 

ではなぜこのような事実があるのか?

残念ながら、日本では必要のない手術をすすめる病院がないわけではありません。中には、手術数のノルマがあったり、1人の医師が1日に10人もの患者さんを手術していたりするケースがあるようです。日本の医療制度上、手術をしなければ病院の経営が成り立ちにくいという事情もあるようです。

 

・3ヶ月後に手術の有無を決めるのが本物の肛門医

一回目の血栓性外痔核の発症の時、かかりつけ医にその場で「切除手術しか治らない」と言われました。

当時、わたしの内痔核はおそらくステージ3~4レベルな上に血栓性外痔核を発症してましたから、相当なものだったと思います。

しかしこの本には

手術するにしても、3ヵ月間の生活指導と投薬の経過を見たうえで判断するのが通常の診断となります。

なぜ3ヵ月なのか?それは次のような根拠があります。

肛門の粘膜は、新陳代謝によって2ヵ月ごとにあたしく生まれ変わっています。そのため、生活習慣の改善や投薬によって痛んだ粘膜が2ヵ月後には修復され、炎症による腫れが引いてきます。これに1ヵ月の余裕を持たせて、3ヵ月の経過観察としているのです。

 

わたしは常々、医者は「治療の十分な説明をする」、「治療の選択肢を与える」ことを患者にすべきと強く思っています。

なんせ患者は医療の素人なのですから。

 

・平田式は手術なし!再発なし!後遺症なし!

平田先生の病院では9割近い患者さんが手術をしないようです。生活改善と投薬だけで治すそうです。

先生は「自己治癒力」を高めることが痔を治すための一番の近道とおっしゃっています。

これがこの本を読んでみてわたしが手術をやめた理由です。

それともう一つの理由が

わたしは、できるかぎりお尻にメスは入れません。なぜかというと一度傷ついた肛門括約筋は再生できないからです。年齢が若いうちは日常生活に支障が生じないかもしれませんが、20年後にどうなるかわかりません。お尻を締める力が弱まり、我慢できなくなって便失禁を起こす危険があるからです。

患者さんの20年後に、誰が責任をとるのでしょうか?

ただでさえ、高齢になると筋力が下がり「便失禁」をするという事実を知っています。なので、先生のこの言葉は非常に説得力があります。

安易に切除出術をしようとしていた私に歯止めをかけてくれました。

まずは「自己治癒力」を高めることをしっかりやってから考えるべきです。

 

・それでも手術が必要になったらやるべきこと

・慌てずに「病名は何か?」「なぜ手術が必要なのか?」を質問する。

・診断書を必ず書いてもらう。

・誰が手術をするのか確認する。

以上のように書かれています。

不明な点は遠慮せずに質問をして、それに対して目を見て誠実に答えてくれるかどうかも、信頼できる医師を見分けるポイントです。

と先生はおっしゃっています。

激しく指示いたします!

 

・炎症の原因 ストレス・肉体疲労

誰でも様々なストレスはあります。わたしは強いストレスがかかると痔が痛みます。できるだけストレスがかからないように日常的に工夫が必要です。

また私の場合、血栓性外痔核発症の原因は「フルマラソン完走後の早期ポイント練習の再開」です。

フルマラソン完走で疲労が溜まっているにもかかわらず、2週間程度でポイント練習を再開してしまっていました。

フルマラソン完走後の体は「全治1ヶ月の怪我」と言われることもあります。

つまりこれが強烈な「肉体疲労」にあたります。

これまでフルマラソン完走後、2週間くらいすると疲労の自覚症状はなくなり、ポイント練習を再開していましたが、やはり目に見えない筋損傷や疲労は確実に残っているのです。

それではなぜストレスや肉体疲労が炎症の原因になってしまうのでしょうか?

肛門には便の中の菌やウイルスを掃除してくれる「リンパ球」がたくさん存在します。

そのリンパ球がストレスや肉体疲労によって減少して免疫力を低下させ、ウイルスや菌が増強し、炎症を起こしてしまうようです。

 

・炎症の原因 冷え

体が冷えると、肛門周辺の血管が収縮して、血液の循環を悪くなってしまいます。すると、うっ血して炎症が起こってしまうようです。

冷えに対してはこれまで以上に予防するようになりました。

今回はじめた冷え防止対策

・靴下はくるぶしまで隠れるものにする。

・デスクワークが多いのでひざ掛けをする。

・ホッカイロを足の甲、仙骨の上に貼る。

・お風呂にゆっくり浸かる。

・体の細胞が入れ替わる3ヵ月、生活改善にトライ

以前にも耳にしたことがありましたが、人間の細胞は3ヵ月でまったく新しい細胞に入れ替わっているということです。

よって「血栓外痔核」が良くなるのは3ヵ月かかる。そして回復までには時間がかかるということを理解しました。(そのくらいの気持ちを持つようにしました)

それには地道な生活改善をコツコツと積み上げていくしかありません。

走力向上についても通じる部分があると気付かされました。

走力の向上も練習をコツコツと積み上げていくしかないのです。

「今やっている練習は3ヵ月後に力になって表れる」という言葉を思い出させてくれました。

痔との付き合い(悪化させない)も走力の向上も丁寧にコツコツと積み上げていくしかないのです。

 

・体のメッセージに敏感になる

これまたランニングに共通する部分だと思います。

今回の血栓性外痔核の発症で、ストレスや肉体疲労を今まで以上にモニターするようになりました。

ストレスを感じれば、本を読んだり、映画を観たり、テレビを観たり、お風呂にゆっくり浸かったり、美味しいものを食べたりすれば良いのです。

精神的にも肉体的にも疲労を感じれば、いつもより早く就寝します。

お腹の調子が悪ければ、食事の量を減らしてできるだけ消化の良いものを食べるようにします。

このように体の異変をモニターして、対処する工夫をこれまで以上にしています。

ランニングも然りです。

ポイント練習では予め決めていた内容でも、疲れが溜まっていればペース設定を下げたり、距離を短縮します。その日にポイント練習ができなければ、翌日に延期するなど調整が大切です。

つなぎの練習はしっかりと疲労を抜いていきます。疲労抜きジョグで体の調子をモニターします。走りたくないほど疲れている場合は、無理やり走らず完全休養で休足します。

 

・スルッと出る「ロダンのポーズ」

便が出やすくなる便器の座り方

洋式トイレに座った時、上体を直立させずに前かがみになること。

更に便の出し方については、いきなり強くいきまずに、肛門を開くようにして軽くいきむようにすると、肛門に負担をかけずに排便できると書かれていました。

実践していますが、排便時の強い脱肛を防ぐことにもつながります。

 

・お尻を締める力を高める「肛門体操」

括約筋をよく動かして元気にすることで、肛門まわりの血流が良くなってうっ血がとれ、痔の予防に効果があるとのことです。

肛門体操のやり方

肛門をゆっくりと5~10回締める。締める強さは、肛門でティッシュを箱から1枚抜きとるイメージ。

車の運転時、入浴時にわたしはやっています。

 

痔持ちランナーが絶対やってはいけないことっ!

これは私からの提言です。(本には書かれていません)

①フルマラソン完走後の1ヵ月はポイント練習はしない。

②体を冷やさない。

わたしはフルマラソン完走後にポイント練習を2週間以内に再開して3回、血栓性外痔核を発症しています。

この2点は、これからは絶対に守りますっ!!

 

最後に

冒頭にも述べましたが、この本はわたしの痔のバイブル本です。

わたしが「生涯ランナー」であるために必要な本だと思います。

マラソンの着地時、片足にかかる重力は体重の2〜3倍と言われています。

この負荷をわたしの場合、ハーフマラソンであれば1時間半弱、フルマラソンでは3時間半続けるのです。

マラソンは「肉体疲労」と「冷え」(冬場のシーズン中)がつきものです。

これからも痔とうまく付き合っていくしかありません。

痔が疼きはじめたら、今回ご紹介の著書をつまみ読みするようにしています。

痔に悩まれている皆様、是非お手に取って読んでみて下さい。

平田雅彦先生、勝手に感想文的なブログを書いてしまいすみません。

そして、痔の正しい知識を授けてくださり感謝申し上げます。

 

 

【記事:芋太郎ブログ富土通(フドツウ)】